コロナ禍ならではの実習体験も。『教育実習報告会』を実施
公開日:2020年11月20日
11月11日(水)、教職課程を履修する4年生が『教育実習報告会』を実施。報告を行った4年生2名に加え、教職を目指す2・3年生、教職員併せて約20名が参加しました。
今年度は、新型コロナウイルスの影響で、多くの学校で教育実習が中止・延期になりました。本学の4年生も、5月下旬~6月上旬の実施予定が秋に延期になり、いつもとは違う教育実習を経験。この日集まった2・3年生はその貴重な話に、メモを取りながら真剣に耳を傾けていました。
それぞれ、1日の流れや実習内容、研究授業、授業外の過ごし方などについて報告。授業のために作成した実際の指導案を配布し、授業を行う際に意識すること、気を付けることなどについても具体的に説明しました。
その際、2人がともに大事だと話したのが、『声の大きさ』と『飽きさせない授業』について。マスクの着用が日常的になっている今、「いつもより大きめの声で話さないと後ろの生徒まで届かない」と。また、答えを聞く発問と考えさせる発問の違いを理解すること、生徒に考えさせる授業を行うこと、声のトーンや言葉で授業にリズムを持たせることなどの重要性を感じたと言います。
また、授業以外での生徒との関わりにおける注意点や、実習中の必須アイテムなどについてもアドバイスしました。
今年度は教育実習が秋に延期になったことで、例年はない学校行事も体験した2人。実習期間に体育祭が行われたという学生は、「体育祭前は40分授業。50分の授業内容を40分で行うのは大変だったけど、いい経験ができた」と話しました。
コロナ禍という異例の状況での教育実習に臨んだ2人。その2週間の経験を通して、自分の強みと課題が明確になるとともに、たくさんの気づきを得て、大きく成長。報告会終了後に行われた質問会では、そんな2人の力強い言葉に触れ、2・3年生たちの不安も取り除かれたようで、改めて教職への思いを強くしていました。
参加した2・3年生の感想
3年生
- まだまだ自分に足りていない部分が多くあるな、と感じました
- 学生気分を捨て、生徒中心に考え、謙虚に学ぶ姿勢を心がけていきたいと思います
- 来年、実習に行くにあたり、どのようなことに気を付けたらいいか、これからの授業づでどのようなことを身につけていかなくてはならないか、学ぶことができました。これからもっと生徒に考えさせる授業を心がけていきたいです
2年生
- 飽きない授業づくりの難しさについて気づけたので、意識していきたいです
- 教師として必要なことがよくわかりました。これから身につけていかなければいかないことをしっかり考える気持ちを持てたので、いい時間を過ごせました
- 発表がしっかりしていて、説明もとてもわかりやすく勉強になりました。自分が実習に行くときは、今日の話を忘れずにがんばりたいです
教育実習担当教員の総評
西尾範博教授(人間社会学部人間社会学科)
「研究授業の際、教室に入って歩いている後ろ姿を見た一瞬で、「すごく先生している!」と感じました。学校の空気に馴染んでいるだけじゃなく、2週間で得たものがたくさんあったんだな、と。実習に行く前と同じ人物か? と思うほど『先生』が板についていました。今回は短い時間でしたが、2・3年生にとってはとても貴重な時間。ここで終わらせず、これをきっかけにして、4年生にいろいろ質問し、彼らが2週間で得た宝・財産をどんどん自分から引き出して、ぜひともそこから学ぶようにしてください」
池田曜子准教授(人間社会学部人間社会学科)
「毎年ですが、皆さん実習に行く前は本当に心配で、でも2週間の実習に行くと、授業も上手になって、人間的にも成長して、すごく変わって帰ってくるんです。でも、変わるということは、それだけ大変だということ。その分いい経験にもなります。今年は授業練習をするにも2名だけで、多くの生徒たちの前で授業をするのは大変だったと思います。また、いつ実習に行けるかもわからない状況のなかでの準備も大変だったと思います。本当におつかれさまでした」