どんな経験も、いつか、どこで役に立つ。 ローソン社長が語る『マチの“ほっと”ステーション』への思いとは・・

どんな経験も、いつか、どこで役に立つ。
ローソン社長が語る『マチの“ほっと”ステーション』への思いとは・・

公開日:2020年10月24日

企業論特講

本学では毎週、日本を代表する各業界の企業のトップを講師に招き、特別講義を行っています。10月21日(水)の講師は、本学キャンパス内にもあり、誰もが日常で利用しているコンビニエストア、株式会社ローソンの代表取締役社長・竹増貞信氏。普段なかなか知ることのできないローソンの裏側についてお話しいただきました。

不本意な経験も、いつかどこで役立つ

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ローソンに入社する前は商社で肉類の営業をしていた竹増氏。牛肉の輸入自由化により、国内に溢れていた世界中の牛肉を売るために、20代の竹増氏は電話営業に奔走する日々を送りました。様々な苦労を乗り越えて営業として活躍していた30代の時に突然命じられた、広報への異動。当時の竹増氏は「自分営業なのに・・」とやり切れない気持ちを抱いたそうです。しかし、不本意に思えたこの異動により、メディアの世界を知り、外の社会に触れ、多くの人と出会い、新たな世界が拓かれていきました。その後、社長業務秘書を経て、商社を退職、ローソンへ入社することに。「これまでの経験すべてが、ローソンの社長となったとき役立った」と、竹増氏は言います。なかでも、『大きな決断をするとき』『社長としての心構え』について学んだ社長業務秘書としての時間は、「なくてはならない経験だった」と。だからこそ、学生にも「どのような経験も、後々になって役に立つことが多々ある。ぜひ、いろいろなことにチャレンジしてほしい」と伝えられました。

従業員が自然と笑顔になってこそ、お客さまも笑顔に

『私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします』。これは、ローソンの企業理念。すべてのお客さまから「ローソンいいね!」と言ってもえるお店をつくるため、この理念に基づいて店舗運営が行われています。「そう言っていただけるお店は、みんなに必要とされる。結果的に、マチを幸せにする、ということに一歩ずつ近づいていくことになる」と竹増氏。そのために目指すのが、『マチの“ほっと”ステーション』。誰もが一度は目にしたり耳にしたことがあるだろうこの言葉は、ローソンの“ビジョン”なのです。
竹増氏は、これらを実現していくためには、「19万人の従業員の働き甲斐が一番大切」と話しました。その“働き甲斐”に必要なのが、企業理念やビジョン。そしてもうひとつ、“行動指針”ともいえる『ローソンWAY』です。

【ローソンWAY】

  1. マチ一番の笑顔あふれるお店をつくろう
  2. アイデを声に出して、行動しよう
  3. チャレンジを、楽しもう
  4. 仲間を想い、ひとつになろう
  5. 誠実でいよう

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こうした、企業理念、ビジョン、ローソンWAYに、従業員が賛同・納得・コミットする。それが、それぞれの働き甲斐につながっていき、「仲間全員の働き甲斐があってこそ、会社が動き出す。従業員が自然と笑顔になってこそ、お客さまも笑顔になっていく。それが、理念やビジョンにつながっていく」と、竹増氏は考えています。

『3つの約束』を掲げ、持続的な成長を

“従業員の働き甲斐”をベースに、ローソンはお客さまに対して『3つの約束』を掲げています。『圧倒的な美味しさ』『人への優しさ』『地球(マチ)』。これが揃うことで、すべてのお客さまに「ローソンいいね!」と言ってもらえるお店になっていける、と。竹増氏いわく、「皆さまが日ごろから感じている、社会の課題や多様に変化する価値観をいち早くキャッチし、イノベーションや商品・サービス強化といったカタチでスピード感をもって応えていく。それにより、笑顔が集まり、誰もが“ほっ”とできる『マチの“ほっと”ステーション』が実現する」と。

毎日続ける、は“努力”ではなく“習慣”

『トイレを綺麗にする』『商品を、見やすく、買いやすく、並べる』『笑顔で接客する』。これは、どれも“当たり前”のことです。しかし、「この“当たり前”のことを“当たり前”に、世界一の基準で、毎日実行する。これが一番難しいこと」だと、竹増氏は言います。この“当たり前”を毎日実行するには、準備をしっかりすることが大事。そうすることで気持ちに余裕ができ、笑顔で接客きるようになります。毎日となると難しい、毎日ここまでの努力はできない。そう思うかもしれませんが、「これは努力でない。習慣だ」と竹増氏。「皆さんが、朝起きて歯を磨いたり、ご飯を食べたりするのと同じように、“習慣”になることが大切」だといいます。

“やりがい”があるところに繁栄がある

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『店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅びる』。昭和の商業評論家・倉本長治さんの言葉を引用し、竹増氏は力説しました。「お店がお客さまのために在り続けることが、店が社会に貢献し続けることになる。そして、いきいきとやりがいを持った店員さんとともに栄えていく。やりがいのあるところに繁栄がある」のだと。

そして最後に、竹増氏は自身の若いころを振り返り、「これから社会に出たとき、自分の意に沿わない仕事を強いられたり、不本意なことを押しつけられたりするかもしれない。そんなとき、大切にしてほしいのが『お天道様が見ている』という言葉。お天道様は自分の心のなかにいる。自分の心に嘘をつかないように、自分の心に恥ずかしくないように。そういった心がけで一生懸命やっていると、必ず誰かがその姿を見てくれていて、道が開けてくる」と、これから社会へ出る学生たちにメッセージを送りました。

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